就職・転職活動で避けて通ることができない履歴書、職務経歴書、添付手紙(カバーレター)についてさまざまなケース別に事例を挙げて解説。(「BOOK」データベースより)
「ブランクがある人の場合」「異業種に転職する人の場合」といった事例を多数あげて、応募書類の書き方を丁寧に解説した本です。
2色刷りでポイントがわかりやすく列挙されています。
「『履歴書は手書きが原則』のワケ」という章が存在します。
大きくは履歴書は手書き、職務経歴書はワープロOK、に分けて対比させる形になっています。
それでその「ワケ」ですが、5つポイントとして列挙されています。
1・手書きの文字を見れば応募者の教養レベルや学力がわかる。
2・熟練した人事担当者は、書き文字を見ただけで応募者の人柄までも推測できる。
3・仕事には読みやすい文字が必須である。
4・ワープロソフトで作成した履歴書は「量産」が可能である。
5・ひと工夫を感じさせる書類が作成できる人は、実務においても機転が利く。
ではひとつひとつ吟味しましょう。
1・手書きの文字を見れば応募者の教養レベルや学力がわかる。
・・応募者にとってみればそれこそが手書きにしたくない理由ではないですか・・
そんなに自分の頭は悪い方だとは思わないけど、どう見ても自分の字は頭良さそうには見えないといった理系出身のエンジニアは多そうです。
アピールしたくないことはアピールしない自由というのは保証されていてしかるべきだと思います。
2・熟練した人事担当者は、書き文字を見ただけで応募者の人柄までも推測できる。
・・面接では愛想が良い人でも、仕事が雑なのが文字から推測できたとして、それでどうするというのでしょう?
多くの場合、それは数ある長所・短所のうちのひとつでしかないので、応募者はあまり気にしなくていいです。
例えば容姿が優れているかどうかは、印象に多大な影響があるとは思いますが、それは応募者にはどうしようもありません。
3・仕事には読みやすい文字が必須である。
・・仕事によります。
多くの企業では電子化されずに手書きが残っている業務は非効率とされます。
FAXの業務などが典型で「読みやすい」ことは大事ですが、そもそもFAXが残ってしまっていることが問題視されます。
その手書きの情報は誰がコンピューターに入れるのですか?ということです。
そういうわけで多くの企業に手書きの業務はもはやありません。
4・ワープロソフトで作成した履歴書は「量産」が可能である。
これは応募の多い企業において、応募自体は無料なのでどんどん送ってきますが、応募1通に対するコストは変化しないので、お手軽に応募できると応募が「割安」になります。
「こっちも大変なんだから、お前も大変になれ」というコスト感の平衡感覚です。それがないビジネスは「ぼったくり」ですし、採用の場合は「真剣さがない」ということになります。
気持ちはわからないでもないのですが、応募する・採用するという両サイドのコストは取引のコストです。双方少ないに超したことはないです。
5・ひと工夫を感じさせる書類が作成できる人は、実務においても機転が利く。
・・それがアピールしたい人は、それをアピールすればいいですが・・
5点とも「そういうこともあるかもしれませんね」という意味では否定することではないのですが、
手書きの履歴書が「採用側から」望まれる理由なのであって、応募者が全員手書きにしなければいけない理由ではないです。
整った字をアピールしたいならそうすればいいですし、都合が悪いなら手書き文字をアピールすることはありません。
・・ということで
電子履歴書を使って、効率的に的確にアピールできる履歴書を作りましょう。
ひどい書きかたをしてきましたが、あくまで「履歴書は手書き」でなくてもいいですよねというだけでして、この本の履歴書の書き方の事例はとても参考になるはずです。